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本 老人と海

老人と海

kindle と 青空文庫

http://www.aozora.gr.jp/cards/001847/files/57347_57224.html

 

冒頭から老人がかつての体力と技術を持っておらずその気持ちのみにすがっていることがわかる。少年は老人の衰えを認めながら尊敬の念を持ち続けている。

老人はカジキと生死をかけた長丁場の勝負をするのだが、このとき老人はそのカジキの生命力に自分自身を見たのだろう。彼が戦っているのは鏡に写った自分でありこれに勝たなければならない。もし逃してしまえば自分が何者でもないことを認めるのに等しい。カジキを捉えたとき彼はつかの間の安堵を感じた。それはおそらく老人の心にいる彼の姿であり、これを捉えた今彼は昔の栄光を蘇らせた気分になっただろう。しかしサメが襲ってくる。カジキの身は次第に削がれほとんどなくなっていく。老人はもはや無意味だと気づきながらこれに抵抗する。カジキが、自分の鏡像が崩れていくことを認めたくないのだ。それは老いた老人自身の像に等しくなり値打ちのないゴミになった。通りかかった人はそれが(人に迷惑をかけるだけのものとして形容された、)サメだと勘違いする。老人の過去を知らないものにとって老人はもはやなにもできないただの老いた男なのだ。

少年は理解する。老人がこれを理解したことを理解する。かつて追っていた背中は今では触れれば崩れるほど脆いものだと認めるのだ。

ライオンの解釈は意見が別れるが、俺の考えではカジキと同じで自分の過去の栄光を象徴したものである。